【12月22日 AFP】中国南部の学校が、児童・生徒の無断欠席を防ぎ出席率を向上させるため、居場所を把握できるチップを内蔵した「スマート制服」を採用していると、同国の国営メディアが報じた。

 このサービスを運営するテクノロジー企業によると、制服にチップを用いることで、児童・生徒の居場所を監視し、学校の出入記録を取ることができるという。

 今年11月からスマート制服を導入しはじめた、貴州(Guizhou)省にある小学校の校長は、「児童が学校に入ると、スマート制服がその児童の写真や動画の撮影を補助する」と説明。AFPの取材に対し、児童1400人のうち半数以上がスマート制服を着用していると述べた。

 中国の国営タブロイド紙である環球時報(Global Times)が20日に報じたところによると、貴州省および隣接する広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)では、少なくとも10校がこの技術を導入しているという。また同紙は、児童・生徒が許可なしに学校から出た場合、自動で音声アラームが作動するとし、さらには学校のドアに設置された顔認識装置と連動し、児童・生徒同士で制服を交換した場合も感知できる仕組みになっていると説明している。

 貴州省にある別の学校の校長は同紙に対し、「放課後の児童・生徒の居場所を確認するのではなく、いなくなっていたり、さぼっていたりする場合、スマート制服は居場所の把握に役立つ」と述べた。

 ただ、この校長によると、ハイテク制服によって出席率は上がったものの「大幅に」とはいかないという。また制服導入の主な理由は、チップと連携するアプリを使って児童・生徒に連絡や宿題を送信するためだと説明している。(c)AFP