【12月22日 AFP】北極圏に位置し、世界最北の定住地とされるノルウェー領スバルバル(Svalbard)諸島で21日、武装した男が銀行強盗を働いたものの、すぐさま逮捕された。当局が同日、明らかにした。

 今回の事件が起きたのは同諸島のスピッツベルゲン(Spitsbergen)島で、知られている限り同諸島史上初の銀行強盗だという。北極海(Arctic Ocean)にある同諸島は、ノルウェー本土と北極点(North Pole)の中間に位置する。

 地元広域自治体の首長の報道官を務めるタリエ・カールセン(Terje Carlsen)氏はAFPに対し、「午前10時40分(日本時間同日午後6時40分)ごろ、武器を用いた強盗事件があった」と語った。

 カールセン氏によると、同島の主要な町ロングイェールビーン(Longyearbyen)の中心部にある銀行で、「銃1丁を手にした男が金をいくらか強奪したが、すぐさま逮捕された」という。

 警察によると、容疑者は観光でスバルバル諸島を訪れた外国人。取り調べのため、ノルウェー本土の北部にあるトロムソ(Tromso)に移送された。

 容疑者の身元や被害額、使われた銃についてなど、当局はさらなる詳細を明らかにしなかった。

 人口を上回る個体数を誇るホッキョクグマと氷河で有名なスバルバル諸島は、強盗が成功する確率は極めて低いはずで、人口約2000人のロングイェールビーンではほぼ全員が顔見知りの上、島から出るための主要な交通手段は飛行機となる。

 失敗に終わった今回の強盗劇は、ソーシャルメディア上でたちまち物笑いの種となった。ツイッター(Twitter)には、「ノルウェー史上最も無謀な銀行強盗?」「たぶん逃走経路のことを考えるのを忘れてたんじゃないかな」といったコメントが投稿された。(c)AFP