【12月22日 AFP】米法曹界の「レジェンド」、ルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)連邦最高裁判事(85)が21日、左肺の悪性腫瘍2つを摘出する手術を受けた。米最高裁が明らかにした。ギンズバーグ氏はリベラル派で、最高齢の最高裁判事。

 ギンズバーグ判事は先月、転倒しあばら骨を3本折った際のX線検査で肺に腫瘍が見つかり、ニューヨークのスローン・ケタリング記念がんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)で肺葉を切除する手術を受けた。最高裁によると、摘出された腫瘍はいずれも病理検査によって悪性のものと判明した。

 手術前に行われたCTスキャン検査で、体の他の場所に病気の兆候は見つからなかったほか、手術後にも、何らかの病気が残っている兆候は見られなかった。現在のところ、さらに治療を行う予定はないという。ギンズバーグ判事は落ち着いた状態で休んでおり、2~3日入院する予定という。

 ギンズバーグ判事は1993年、当時のビル・クリントン(Bill Clinton)大統領に指名された。連邦最高裁判事9人の現在の構成は保守派5人、リベラル派4人となっており、ギンズバーグ判事はリベラル派の一人。ギンズバーグ判事が死去するか、健康上の問題で引退すれば、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は後任に保守派を指名し、最高裁は判事の顔ぶれが入れ替わるまで相当長期間にわたって保守派のイデオロギーで固まるとみられている。このため、ギンズバーグ氏の健康問題はリベラル派の心配の種となっており、大きな注目を集めている。(c)AFP