仮想通貨ビットコイン誕生から10年、波乱の道のり【再掲】
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【12月23日 AFP】仮想通貨ビットコイン(bitcoin)は、2008年10月31日に誕生した。あれから10年が経過したが世界初の仮想通貨は今でも、複雑な金融システムの最先端にあり、市場関係者や投資家は用心深く見守っている状況だ。(※この記事は、2018年10月31日に配信されました)
ビットコインは、世界金融危機のさなかに登場した。サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)と名乗る人物によって書かれた論文が、ビットコインのビジョンを伝えたのがきっかけとなった。
1ビットコイン当たりの価値はほぼゼロからスタートした。しかし今では、約6400ドル(約72万円)にまで上昇している。論文を要約すると、ビットコインは、「純粋なP2P(ピア・ツー・ピア)電子マネーによって、金融機関を通さずに、直接的に互いのオンライン取引を可能にする」ものだ。
ビットコインは、ブロックチェーンとして知られる分散型台帳システムを通じて運用されている。
2008年9月、米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)が経営破綻したことが、仮想通貨の拡大に寄与した。2011年にフランス初のビットコイン取引所を創設したピエール・ノワザ(Pierre Noizat)氏は、リーマンの破綻は、「少数のエリート銀行家が作った金融の規則を全ての人に課す」という伝統的な金融システムの信用を失墜させる出来事だった、と指摘する。
誕生から数年間は、ビットコインが一般の人に広く知られることはなく、一部の愛好家やマネーロンダリング(資金洗浄)の手段を探していた犯罪者の注意を引いただけだった。
2013年に1ビットコインの価格が初めて1000ドル(約11万3000円)を超えると、金融機関の関係者らが注目し始めた。
欧州中央銀行(European Central Bank)はビットコインを、投資詐欺の一手法である「ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)」と呼び、相手にしなかったが、当時の米連邦準備制度理事会議長ベン・バーナンキ(Ben Bernanke)氏は、その可能性を評価していた。