【12月21日 AFP】米司法省は20日、中国政府とつながりのあるハッカー2人を起訴したことを発表した。日本を含む12か国の45の企業・政府機関を標的にサイバー攻撃を仕掛けた疑いがあるという。米当局は2015年のサイバー攻撃停止の取り決めを中国が順守していない様子を示すものと批判している。

 ロッド・ローゼンスタイン(Rod Rosenstein)司法副長官は今回の起訴について、欧州・アジアの同盟国と連携している活動で「中国の経済的攻撃」を阻止する目的があると説明した。

 司法省によると、ハッカーらが標的にしたのはMSP(マネジメント・サービスプロバイダー)と呼ばれる、情報技術システム運用管理の支援を専門とする会社。多数のMSPを標的にすることで、ハッカーは数十社のネットワークに侵入できたとみられる。

 習近平(Xi Jinping)国家主席は2015年、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領(当時)に対し米企業や商業施設へのサイバー攻撃を停止することで合意したが、ローゼンスタイン氏は、中国政府がこの合意を繰り返し違反していると同国を強く非難した。

 司法省によると、ハッカーの朱華(Zhu Hua)、張士龍(Zhang Shilong)両被告は中国国家安全省が支援するとされるハッカー集団「APT10」に所属し、天津(Tianjin)市国家安全局に勤めていた。(c)AFP/Paul HANDLEY