【12月20日 AFP】米ラッパーのリル・ポンプ(Lil Pump)さん(18)がインスタグラム(Instagram)に人種差別的な歌詞が含まれる歌に合わせて目を細めるしぐさをする動画を投稿し、中国で非難の声が上がっている。また、これを受け、中国人ラッパーたちがリル・ポンプさんに反撃する歌で応戦する事態となっている。

 リル・ポンプさんは17日に投稿した「バタフライ・ドアーズ(Butterfly Doors)」という曲の動画で、米プロバスケットボール(NBA)の中国人元スター選手、姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)氏に言及した「みんなが自分のことをヤオ・ミンって呼ぶ、目が本当に細いから」という歌詞に合わせて目をつり上げるしぐさをした。

 また、歌詞には中国人の話し方をやゆするものとされる差別用語も含まれていた。

 これに対して中国人ラッパーのピシー(Pissy、本名:李毅杰、Li Yijie)さんはリル・ポンプさんを侮辱するタイトルの曲で反撃。

 四川(Sichuan)省のヒップホップグループ「天府事変(CD Rev)」に所属するピシーさんはAFPに対し、「彼が中国国民である自分に恥をかかせたのなら、お互いが理解できるラッパー流のやり方で行動を起こすほかなかった」と語った。

 ピシーさんの歌詞はこうだ。「結局お前は白人の人種差別主義者と同じだ。自分を尊重しろ、お前も痛みに苦しんできた。お前は歴史について何も知らない。移民の国だからだ。インディアンの歴史を調べてみろ」──

 ピシーさんが所属する天府事変は中国政府と密接な関わりがあり、愛国的なラップを歌うことで知られている。(c)AFP