【12月20日 AFP】「ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)」はもう十分──。米国の大学が実施した世論調査で、公の議論が現状よりも政治的に正しくなることに反対する米有権者が全体の52%に上ったことが19日、明らかになった。本音を言えないとしてポリティカル・コレクトネスに敵対的なドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領やその支持層に代表される、米社会に広がる「反PC」の雰囲気を反映した結果と言えそうだ。

 調査は米マリスト大学世論研究所(Marist College Institute for Public Opinion)が有権者1075人を対象に実施した。無党派層でも、やはり53%がこれ以上のPCには反対と回答した。

 同研究所のリー・ミリンゴフ(Lee Miringoff)所長は今回の結果について「民主党がポリティカル・コレクトネスに関してもっと支持層寄りに動いた場合、無党派層が引き続き民主党に投票するかどうか、試されることになりそうだ」と指摘した。

 支持政党別に見ると、共和党支持層では76%が米国がより政治的に正しくなることに反対。一方、民主党支持層では55%が、人々が自身の見解を表明する際には一層の「配慮」を求めると答えた。

 トランプ政権になって以降、米政界での議論の丁寧さの基準が下がったと回答した人は7割に上った。

 民主党支持層の67%は、言論が粗雑になっているのはトランプ大統領に原因があると回答。一方、共和党支持層では58%が、トランプ大統領が「国民の敵」と呼ぶメディアに責任があるとした。(c)AFP