【12月19日 Xinhua News】ドイツのBMWは中国のオンライン配車サービス市場に正式に進出するとともに、四川省成都にハイエンド車200台を投入した。BMWは中国で初めてオンライン予約配車サービス用の経営許可を取得するとともに、車両を投入する外資企業になる。BMWが先ごろ成都で行った記者会見で明らかにした。

 BMWによると、初期段階で投入したBMW5シリーズ200台のうち、半分はプラグインハイブリッド車(PHEV)で、オンライン配車サービス専属のドライバーを手配する。BMW大中華エリア総裁兼最高経営責任者(CEO)のゴラー氏は、調査研究により、中国のハイエンド外出サービス市場には大きな発展の潜在力があることが分かったと説明した。

 成都をオンライン配車サービス業務のスタート地点に選んだことについて、ゴラー氏は次のように述べた。「成都の急速な発展は中国の改革開放40年の縮図である。なおかつ成都は新しいものを受けいれる力が強く、1日当たりのオンライン配車サービスの利用回数が多く、またBMWが最も早く短時間レンタカー業務を開始した市場でもあり、新しい業務を始めるのに極めて有利だ」

 複数のコンサルティング会社の研究データによると、中国のオンライン配車サービスユーザーはすでに2億2千万人を超え、市場規模が230億ドル(1ドル=約113円)に達している。プライスウォーターハウスクーパース(pwc)の予想では、2030年までに、3分の1を超える外出がシェア関連のものになり、中国におけるシェア自動車と自動運転の浸透速度は他の国を上回るという。

 BMWのほかにも、ドイツの高級車メーカー・ベンツとアウディがハイエンド市場をターゲットとしてオンライン配車サービスと短時間レンタカー業務への参入を試みている。

 業界のアナリストは、BMWなどの高級車ブランドがオンライン配車サービス市場に参入するのは、モバイル配車サービス市場を奪い、中国のオンライン配車サービス市場で一席を占めるためであると同時に、今後の自動車業界の転換に向けて道を敷き、中国で新エネルギー車、自動運転車などの市場を開拓するためでもあるとの見方を示した。

 「今年われわれが中国で販売した高級新エネ車は2万台を超える」。ゴラー氏はこう述べ、中国は「エコ」と「シェア」を重要な発展理念に据えており、BMWの新エネ車は中国で大いに力を発揮するだろうと強調した。

 業界関係者は、中国のオンライン配車サービス市場はスタートしてからまだ日が浅く、目下調整と最適化の段階にあり、高級車ブランドが本当の意味でハイエンドオンライン配車サービス市場を切り開くまでにはまだ多くの課題に直面するだろうと指摘する。

 自動車関連のシェアリングエコノミーに注目してきた輸送業界の専門家は、高級車ブランドは「オンライン配車サービス」のような人気サービスによってブランドの注目度を高め、市場の多様化ニーズを満たすことができると述べた。

 このほかに、成都市の業界管理官庁はBMWに対し、必ず法律とルールに基づいてオンライン配車サービスの経営活動を行うよう指導している。

 同管理官庁のスタッフは「いかなるオンライン配車サービスプラットフォーム企業も法とルールに基づいて経営活動を行い、人員と自動車に対する許可証発行手続きを加速させ、乗客に優れたサービスを提供しなければならない」と話した。(c)Xinhua News/AFPBB News