【12月18日 AFP】テリーザ・メイ(Theresa May)英首相は17日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に向け自身が結んだ協定案をめぐる政治的行き詰まり打開のために国民投票のやり直しを求める声が強まっていることを受け、議員らに対し投票の再実施を支持しないよう警告した。

 メイ首相は議会で、「国民投票を再度実施しようとすることにより国民との誓約を破るのはやめよう」と訴えるとともに、「再投票は、われわれの政治の一貫性を修復不能なまでに損なうことになるだろう」と警告。2度目の投票を行ったとしても「何らの前進も見込めない」と述べた。

 2016年の国民投票によって衝撃的に決まった英国のEU離脱は、来年3月29日に実現する予定。ただメイ首相は、自身が先月EUとの間で結んだ離脱協定案に対する議会の支持取り付けに苦闘している。

 政府は先週議会で予定されていた投票を延期していたが、メイ首相は17日、投票を来年1月14日からの週に実施すると発表した。

 メイ首相は、同協定案に関する「確約」を求めてEUとの協議に取り組んでいるとしているが、欧州委員会(European Commission)のマルガリティス・シナス(Margaritis Schinas)報道官は17日、「英国とのさらなる会合は予定されていない」と述べた。

 再国民投票の推進派は、今回のメイ首相の発言は再投票の可能性が真剣に受け止められていることを示していると指摘。野党・労働党の再投票支持派議員、マーガレット・ベケット(Margaret Beckett)氏は、「EU離脱が何を意味するかの理解は以前より深まっており、新たな国民投票は2016年の投票とは異なるものになる」と主張した。(c)AFP/Dario THUBURN