【12月17日 AFP】オーストラリアラグビー協会(Rugby Australia)は16日、解任へ向けた重圧が高まっていたマイケル・チェイカ(Michael Cheika)ヘッドコーチ(HC)の留任を発表した。ただしチェイカHCは、新たに就任するディレクターの直属となり、権限は縮小される。

 2018年はテストマッチ13試合で4勝と、ここ数十年で最低の成績に終わったワラビーズ(オーストラリア代表)は、19年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)前に低迷に歯止めをかけようと、体制の全面的な見直しを行った。チェイカHCは今後、スコットランド代表でディレクターを務め、今回引き抜かれたスコット・ジョンソン(Scott Johnson)氏、そして外部関係者の3人からなるパネルの一員として働くことになる。

 チェイカHCの進退については国内でも意見が二分されており、元代表のスター選手であるマット・バーク(Matt Burke)氏が指揮官の立場を「擁護できない」と発言し、幻滅したファンからの批判も高まる一方で、チェイカHCが最適だと続投を支持する声もあった。

 しかし結果が出ず、世界ランキングが6位に下降する中でも指揮官への信頼を貫いていたレイリーン・キャッスル(Raelene Castle)最高経営責任者(CEO)は、続投を決断。同様に刷新が求められていたコーチングスタッフもひとまずは留任が決まった。

 キャッスルCEOは「われわれは、マイケルこそがW杯でワラビーズを率いるのにふさわしい人物だと自信を持っている。またスコット・ジョンソンの就任によって、マイケルとコーチ陣の日本大会に向けた準備がやりやすくなるはずだ」と話した。

 新ディレクターについては、「スコット・ジョンソンは代表ラグビーの世界でここ10年以上にわたり確固たる評価を築いてきた人物で、彼がディレクターに就任してから、スコットランド代表は過去最高の世界5位に順位を上げた時期もある」とコメント。ジョンソン氏はフィールド外のプログラムの運営を担当し、HCは「一番の得意分野、つまりチームの指揮に集中する」という。

 チェイカHC本人は「オーストラリアのラグビーにとって素晴らしい動きだし、長期的には、この国のラグビーにとってこれがベストな構造だといずれ証明されるはずだ」「スコットと一緒に働くことを楽しみにしているし、国民が誇りに思えるようなラグビーをお見せして、この仕事を完遂したい」とコメントした。(c)AFP