【12月16日 AFP】ポーランド南部カトウィツェ(Katowice)で開催された国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)は16日、2015年に結ばれた地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」の運用ルールを採択した。パリ協定は、世界の気温上昇幅を産業革命以前と比べて2度未満に、可能であれば1.5度未満に抑えることを目標としている。

 200近い参加国による協議は長時間に及んだが、危険な地球温暖化を回避するために、最も気候変動に弱い国々が必要としている意欲的な目標を実現することはできなかった。

 気候変動によって悪化する壊滅的な洪水や干ばつなどの異常気象への対応をすでに始めた国々は、この運用ルールは世界が必要としている排出量削減達成に向けた強い思いが欠けていると指摘している。

 地球温暖化による最悪の脅威を防ぐことと、富裕国と貧困国の経済を守ることの両立を目指して交渉が行われたために、採択はたびたび先延ばしになった。

 交渉の中心となったのは、気候変動を緩和し、また気候変動に適応していくための行動に対する各国の資金拠出とその実施状況の報告方法だった。途上国は、将来の気候変動対策の資金源をめぐり、先進国からより明確な言葉を引き出そうとした。

 中国や欧州連合(EU)、米国にある排出権取引所の世界的な制度への統合を見越した炭素市場の統合問題も議論を呼んだ。

 経済的な豊かさや大きさを問わず全ての国を最も落胆させたものの一つは、最終合意に排出量を削減する強い思いが欠けていたことだった。

 大半の参加国は、国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の調査結果を今後の計画の中核とすることを望んでいた。IPCCは、気温上昇幅を1.5度未満に抑える目標の達成に向け、温室効果ガス排出を2030年までにほぼ半減する必要性を強調している。

 しかし、こうした動きに対して米国、サウジアラビア、ロシア、クウェートが異議を唱え、原案の内容は骨抜きにされる結果となった。(c)AFP/Patrick GALEY and Marlowe HOOD