機内に置き忘れの移植用心臓、米サウスウエスト機がUターン
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【12月14日 AFP】米サウスウエスト航空(Southwest Airlines)は13日、米西海岸のシアトル(Seattle)から南部ダラス(Dallas)に向かっていた旅客機の機内で置き忘れられた移植用の心臓が見つかったため、出発地に引き返したと明らかにした。
乗務員が「人命に関わる貨物」を発見したのは、シアトルを出発して約950キロ飛行したアイダホ州東部の上空。「忘れ物」はシアトルの病院に宛ててカリフォルニア州から発送された荷物だった。
サウスウエスト航空広報のダン・ランソン(Dan Landson)氏は、「過失に気付いてすぐシアトルに引き返すべく尽力した」とAFPに述べたが、臓器の発送元など詳細については言及しなかった。
ただ、現地紙シアトル・タイムズ(Seattle Times)の報道によると、機長はおびえる乗客に、引き返す原因となった積み荷は人間の心臓だと説明したという。
この過失で、臓器の輸送時間は本来よりも上空で3時間、地上で1時間が余計にかかったとみられる。専門家によれば、ヒトの心臓は摘出から4~6時間以内なら移植が可能とされる。
乗り合わせた医師アンドルー・ゴッチョーク(Andrew Gottschalk)氏は、心臓移植が可能な時間の猶予の短さをインターネットで調べて知った乗客たちが衝撃を受けていたと証言。今回の一件は「重大な過失に関する恐ろしい話」だとシアトル・タイムズに語った。同紙によると、心臓が届けられる予定だった病院は特定できなかったという。(c)AFP