チームスカイ「まだ終わっていない」、スポンサー撤退も将来へ前向き
このニュースをシェア
【12月13日 AFP】自転車ロードレースの強豪チームスカイ(Team Sky)は、英衛星放送スカイ(Sky)が2019年シーズンを最後にスポンサー契約を終了すると12日に発表したことを受けて、将来が危ぶまれる状況に直面している。
両者のパートナーシップの下、スカイは直近7年間における通算6度のツール・ド・フランス(Tour de France)制覇を含め、三大ツール(グランツール)で8回の総合優勝を記録してきた。その一方で、運動能力向上薬の治療使用特例(TUE)をめぐり、物議も醸していた。
2010年以降で通算322勝を誇るスカイはコメント文を発表し、2019年がチームスカイとして臨む最後のシーズンになるとした上で、新しいスポンサーが見つかれば、違う名前でチームは存続できると述べた。
突如として将来が不透明になったが、デイブ・ブレイルスフォード(Dave Brailsford)代表は自転車競技界でトップの座を維持することに自信を示しており、英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に対して、「全ての変化はチャンスにつながる」「自分たちの立場から見て、私は今回の件はチャンスとしてとらえている」と語った。
また今回の発表は不意打ちではなかったと強調し、「スカイの状況や環境など、あらゆることに向き合おうと思う。今回の件に驚いたかって? いや、特には」「大きな野望を抱いて私たちはスタートした。『5年でツール・ド・フランスを制覇できるか?』と考えながらね。あれから10年後に、チームが10年目のシーズンのことを考えているなんて、当時は誰が想像していただろうか」と話した。
スポンサーの撤退表明で栄光の一時代に終止符を打つことになるスカイだが、参戦当時に掲げていた英国勢初のツール王者誕生という夢は、当初は実現不可能なのではないかと思われていた。
しかし、2012年にブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins)氏がそれを実現すると、その後はクリス・フルーム(Chris Froome)が4度のタイトルを獲得。そして今年は、ゲラント・トーマス(Geraint Thomas)が英国史上3人目の偉業を達成した。
エースのフルームは今回のニュースを受けて、新しいスポンサーの下でチームがこれまで以上に強くなって戻ってくると主張し、自身のツイッター(Twitter)に、「僕らはまだ終わっていない。チームスカイの全員が、2019年に向けて大きな野望を抱いている。そして、このニュースによってこれまで以上の決意で目標を達成してみせる」とつづった。
「先のことは予測できないけれど、これだけは確実に言える。僕らは本当に特別なチームだ」「可能であるならば、2020年も一緒にやりたいと考えているし、それをかなえるために全力を尽くしていく。たとえ、新しいスポンサーの下でチームカラーが違っても、勝利に向けた価値観、集中力、そして熱意はこれまでと変わらない」 (c)AFP/John WEAVER