独与党、新党首にメルケル氏側近を選出
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【12月8日 AFP】ドイツの与党キリスト教民主同盟(CDU)は7日、党首を引退するアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の後任を選ぶ選挙を実施し、接戦の末にメルケル首相の側近、アンネグレート・クランプカレンバウアー(Annegret Kramp-Karrenbauer)氏(56)を新党首に選出した。
クランプカレンバウアー氏は、元院内総務のフリードリヒ・メルツ(Friedrich Merz)氏(63)との決選投票で52%の過半数を確保し当選した。企業弁護士のメルツ氏は、2009年にメルケル氏との勢力争いに敗れいったん政界を離れており、中道寄りのメルケル氏に長く反発してきた。クランプカレンバウアー氏の新党首選出により、メルケル氏が2021年までの4期目任期を満了できる見通しが強まった。
クランプカレンバウアー氏は、18年続いたメルケル体制との一貫性を維持する方針を示しつつも、CDUが今後、草の根の民主主義に対する門戸をさらに広げることを約束。投票前の演説では党員らに対し、ドイツを含む欧州で極右勢力が台頭するなか、恐怖を利用した政治を拒否するよう呼び掛けた。
党首選では、党首を退任するメルケル氏に向けて党員らから長いスタンディングオベーションが起こり、多くの党員が涙ぐんだり、「ボス、ありがとう」と書かれたプラカードを掲げたりした。
感極まった様子のメルケル首相は、CDUが自党の主義を貫くことにより総選挙で4回勝利したと指摘。「困難な時代に、われわれはキリスト教かつ民主的な姿勢を忘れてはならない」と訴えた。(c)AFP/Deborah COLE