長寿の秘密は遺伝子変異? ガラパゴスゾウガメにDNA修復などの仕組み
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【12月4日 AFP】南米エクアドル沖のガラパゴス諸島(Galapagos Islands)などに住むガラパゴスゾウガメのゲノムを解析したところ、DNA修復や免疫反応、がん抑制に関係する遺伝子変異体を持っていることが分かった。平均で100年超という長寿の秘密を解明する手掛かりになりそうだ。国際研究チームが3日、英科学誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション(Nature Ecology & Evolution)」に論文を発表した。
チームが調べたのはガラパゴスゾウガメ2頭のゲノムで、このうち1頭は2012年に飼育されていた同諸島サンタクルス島(Santa Cruz Island)で死んだ「ロンサム・ジョージ(Lonesome George、独りぼっちのジョージ)」のもの。ロンサム・ジョージはガラパゴスゾウガメの亜種とされる「ピンタゾウガメ」の最後の1頭だった。もう1頭のゲノムは、西インド洋セーシェルのアルダブラ環礁(Aldabra Atoll)で見つかったガラパゴスゾウガメの亜種のもの。
チームは2頭のゲノムと近縁種の個体のゲノムとの比較から、DNA修復遺伝子や、炎症を引き起こすメディエーター(仲介物質)、がん発生に作用する系統的な遺伝子変異体を割り出した。
ガラパゴス諸島は独自に進化した動植物が多く生息することで知られ、チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)がこの島で進化論の着想を得たことでも有名。同諸島には現在も12種のゾウガメが生息している。
ガラパゴス国立公園のホルヘ・カリオン(Jorge Carrion)所長は、ロンサム・ジョージが長生きした秘密を解き明かせれば、ガラパゴス諸島でゾウガメの個体数を回復させる取り組みにも役立ちそうだと期待する。
火山性諸島のガラパゴスに300万~400万年前に移動してきたとみられるゾウガメの寿命は、飼育環境下で平均100年を超える。(c)AFP