【12月1日 AFP】内戦にあえぐ南スーダン北部ベンティウ(Bentiu)では過去10日間、緊急の食料支援を受け取りに向かう女性や少女125人がレイプ被害に遭っていたことが分かった。国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が先月30日、明らかにした。

 南スーダンで活動するMSFの助産師、ルース・オケロ(Ruth Okello)氏は、「ベンティウにあるMSFの診療所にはこの1週間、恐ろしい性的暴行事件を生き延びた女性や少女が大勢訪れた」と説明。「中には10歳未満の少女も、65歳以上の女性もいた。妊婦でさえもこうした残忍な襲撃を免れなかった」と語った。

 一連の襲撃では、飢えに苦しむ女性や少女が、国際援助団体によって設置された緊急の食料配給所へ向かおうとしていたところを正体不明の男たちに襲われたという。

 MSFによると、被害者の多くはレイプされた他、殴られたり、むちで打たれたり、棒や銃床でたたかれたりした。さらには衣服や靴、食料援助の受給に必要な配給カードといった、なけなしの所持品まで奪われた。

 オケロ氏は「南スーダンでの3年超にわたる活動において、医療を求めてわれわれの事業を訪れる際に性暴力に遭った女性が、これほど劇的に増加する状況を見たことがない」「われわれは今年初めから10か月の間、性的な暴力を受けた人々104人を治療した。そしてわれわれは、過去1週間だけで125人を助けた」と話した。

 南スーダンでは5年前に新たな内戦が始まり、集団レイプや民間人に対する攻撃が相次いでいる。また内戦により推定38万人が死亡し、数百万人が餓死寸前に追いやられ、地域に難民危機を引き起こす事態となっている。(c)AFP