【11月30日 AFP】中国で、世界で初めて遺伝子編集を施した双子の女児を誕生させたとして物議を醸している問題で、臨床試験のボランティア募集に協力した同国のエイズ患者支援団体が30日、強い遺憾の意を表した。

 賀建奎(He Jiankui)氏は、自身が主導したこの臨床試験で、エイズウイルス(HIV)に感染している父親の子が同ウイルスに感染するのを防ぐため、DNA改変に成功したと主張している。

 報道によると、エイズ患者支援団体「白樺林(BHL)全国連盟」の代表が、臨床試験に向け50家族を賀氏の研究班に紹介したという。

 同団体はさまざまな形態のオンラインチャットグループを運営しており、その中にはエイズという同じ悩みを持つ夫婦専用のものもあり、賀氏の実験にはまたとない被験者の集まりとなっていた。

 代表は30日、同団体のブログ上で「この出来事を本当に遺憾に思っていると認めると同時に、これらの家族や子どもたちのことが非常に心配だ」「本音なら私ははめられたと言いたいところだが、責任逃れもしたくない」と心境をつづった。

 賀氏の実験は中国内外の科学界から批判を招き、政府も強く非難した。

 今回の問題を受けて、中国でまん延し、特に近年急増しているエイズと同ウイルスへの注目も集まっている。国営新華社(Xinhua)通信は先週、国の保健当局の報告として、エイズウイルス感染者は推計で125万人に上ると報じている。(c)AFP/Eva XIAO