NZでまたクジラ大量死、海水温上昇が関連か
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【11月30日 AFP】ニュージーランドで30日、ゴンドウクジラ50頭余りが浜辺に打ち上げられて死んでいるのが見つかった。同国の海岸にクジラが打ち上がるのは今週に入って5例目で、専門家は海水温の上昇が関連しているとの見方を示している。
新たに見つかったクジラは、ニュージーランド南島の東沖800キロにあるチャタム諸島(Chatham Island)の近くで29日夜に確認された80~90頭の群れの一部とみられる。
同国では先週末、南島の南方30キロにあるスチュアート島(Stewart Island)の海岸にゴンドウクジラ145頭が打ち上げられて死んだ。また、北島でもユメゴンドウ12頭や、マッコウクジラ1頭、コマッコウ1頭が相次いで打ち上げられている。
マッセー大学(Massey University)の海洋哺乳類学者カレン・ストッキン(Karen Stockin)氏は、ニュージーランドの海岸にクジラが打ち上がるのは比較的よくあることだが、これほど短期間に集中して起こるのは普通でないと述べている。
ストッキン氏によると、ユメゴンドウやマッコウクジラが浜に乗り上げることはあまりない。また、クジラが打ち上げられる事例の増加に加え、オークランド(Auckland)沖のハウラキ湾(Hauraki Gulf)でシロナガスクジラが目撃されるなど、ニュージーランド近海ではこれまで見かけなかった種類のクジラが複数、確認されているという。
ストッキン氏は、ニュージーランドで海水温が記録的に高い状況が続いている点を指摘し、これがクジラの行動に影響しているとの見方を示した。「エルニーニョ(El Nino)現象の影響を受けているのは明らかだが、地球温暖化で状況がより悪化している可能性は否めないと思う」と同氏は述べている。(c)AFP/Neil SANDS