【11月30日 AFP】イングランド・プレミアリーグのハダーズフィールド・タウン(Huddersfield Town)に所属する2選手が、同都市の校庭でいじめに遭ったシリア難民の少年を自分たちの試合に招待したいという意思を明かした。

 暴行の様子を収めた映像は28日に投稿されてから広く拡散されており、英国中で怒りを呼ぶだけでなく、クラウドファンディングも始まった。

 サッカーのテレビ番組で司会を務めるジェイク・ハンフリー(Jake Humphrey)氏は、移動費などを含めた形で少年の家族を試合に招待したいという内容をツイッター(Twitter)に投稿すると、ハダーズフィールドのヨナス・レッスル(Jonas Lossl)とラマダン・ソブヒ(Ramadan Sobhi)がこれに反応した。

 デンマーク代表GKのレッスルはツイッターに「ジェイク・ハンフリーに完全同意だ」と記した。

「彼と家族をハダーズフィールドの試合にゲストとして招待することで、私の愛を示したい。この計画を手配するのにふさわしい人と連絡を取るのに、誰か力を貸してくれないか?」

 エジプト代表のアタッカーであるソブヒは、この少年の家族と自分たちが連絡を取れるようにすることをハンフリー氏に求め、「彼と家族にハダーズフィールドで一日を過ごしてもらえれば光栄だ」と記した。

 この映像の中では、腕につり包帯をした15歳の少年が別の若者に首を絞められ、地面に倒される様子が収められている。また加害者の少年は被害者を押さえ込みながら顔に水をかけ、「水死させるぞ」という言葉を浴びせ息ができないようにしているようにも見える。

 警察は「人種に関する悪質な暴行」だとしてこの件を調査しており、映像について16歳の少年を尋問していると明かした。

 警察によれば、この事件はイングランド北部のハダーズフィールド(Huddersfield)にあるアルモンドベリー・コミュニティ・スクール(Almondbury Community School)の運動場で先月に発生したものだという。

 被害者の少年の支援を目的としたクラウドファンディングのウェブページでは、28日午後までに7万5000ポンド(約1000万円)以上が集まっている。(c)AFP