アイルランドのアマクラブ、元選手死亡の誤報を流して謝罪
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【11月30日 AFP】アイルランドのサッカーリーグ、レンスター・シニアリーグのバリーブラックFC(Ballybrack FC)が、以前クラブに所属していたフェルナンド・ヌーノ・ラ・フエンテ(Fernando Nuno La Fuente)選手が交通事故で死亡したという誤報を流し、米作家マーク・トウェイン(Mark Twain)が自身の死亡記事が載った際に話した言葉のごとく「大きな誇張があった」として、問答無用の謝罪に追い込まれた。
ダブリン南部に拠点を置くアマチュアクラブのバリーブラックは、スペイン出身のラ・フエンテ氏が23日早朝にバイク事故で死亡したとして、アークロー・タウン(Arklow Town FC)戦に臨むことはできないと発表した。リーグでは週末の全試合で1分間の黙とうがささげられ、26日には地元紙にリーグからの追悼文が載せられていた。
クラブのフェイスブック(Facebook)では、今回の誤報について「マネジメントチームのシニアメンバーからレンスター・シニアリーグに宛てられた書簡が原因で、とんでもない判断ミスが起きてしまい、クラブのシニア選手やマネジメントチームに注目が集まっている」「この深刻で容認できない間違いは、完全に常軌を逸したものであり、クラブの他のメンバーが知らぬ間に、個人的に深刻な問題を抱えていたある人間によって行われたものである」との謝罪文が投稿された。
アイルランドの公営テレビRTEでは、クラブの事務局長がすでにバリーブラックの一員から外れたと報道。クラブ側は「判断ミス」が単純な間違いなのか、試合を中止するための策略だったのかは明らかにしなかった。
現在は同国西部のゴールウェイ(Galway)に転居しているラ・フエンテ氏は28日、RTEに対して、前週バリーブラックから連絡があり、自身がある話題に登場すると伝えられていたことを明かした。
「自分が足を骨折したとか、その程度の話だと思っていた。昨日は仕事を終えて自宅にいた。ビデオゲームをやっていたら、『君は有名人だな』と言われたんだ」というラ・フエンテ氏は、少なくとも笑い話ととらえているようで、「自分の死亡報道を見ることになるなんて笑えるよ」と話した。
一方、リーグ側は今回の問題について調査に乗り出すと同時に、途方に暮れていることを認めている。リーグのデビッド・モラン(David Moran)会長はRTEに対して、「正直なところ、バリーブラックがどうしてこんなことをしたのか分からない」「このようなことをして試合を中止させるなんて、少々行き過ぎに感じる。クラブは相手の不戦勝を申し出るしかなく、これから罰金を科されることになり、それでこの問題は終わりだ」と述べた。(c)AFP]