ローマ法王、母の手逃れた自閉症児の「自由」たたえる
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【11月29日 AFP】バチカン(ローマ法王庁)で28日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(Pope Francis)による週例の一般謁見(えっけん)の際、アルゼンチン人の男の子が法王と遊ぼうと母親の手を逃れ、壇上に飛び出す出来事があった。法王は「彼は自由だ」と述べ、参列者らに対し、「われわれは皆、神の前で自由であるべきだ」と語った。
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イタリアメディアによると、男の子の母親が謝罪し、この子が自閉症であることを伝えたところ、法王は居合わせた参列者らに「この子は話すことができない。口が利けない」と述べ、「だが彼は意思を伝え、自らを表現する方法を知っている」と続けた。
さらに法王は「それだけではない。彼は自由だ。その自由に手に負えない面はあっても、自由なのだ」と語った。
手袋をしたスイス衛兵の手を引っ張り、法王の椅子の裏で遊ぶ男の子に、法王は「キスをしておくれ」と語り掛け、母親が息子を捕まえようと駆け寄ると、男の子の好きにさせるよう促した。
さらに法王は「われわれは皆、自らに問うべきだ。自分が神の前で同じだけ自由でいるか、と。われわれは皆、子どもが父の前にいる子どもと同じように、神の前で自由であるべきなのだ」と述べた。
法王が「この子が話せるよう、ご加護を願おう」と呼び掛けると、参列した約7000人の信者から喝采が沸き起こった。
法王は男の子と同じアルゼンチンの出身。(c)AFP