【11月27日 AFP】マレーシアの空港ターミナルで数か月間立ち往生していたシリア難民の男性が、カナダ政府から永住権を付与され、現在バンクーバー(Vancouver)へ向かっていることが、弁護士の話で27日、明らかになった。

 ハッサン・コンタル(Hassan al-Kontar)さん(36)は、クアラルンプール空港(Kuala Lumpur International Airport)のターミナルで、もらった機内食を食べて生き延び、トイレで体を洗ったり髪を切ったりしている様子をソーシャルメディアに投稿。コンタルさんの苦境は広く知られるところとなった。

 コンタルさんはビザの問題でマレーシアへの入国を拒否された上、他国への渡航も禁止された。このため3月以降空港で足止めされ、先月入管当局に拘束されていた。

 コンタルさんは26日、ツイッター(Twitter)に動画を投稿し、ふさふさした顎ひげをなでながら「石器時代か中世からやって来た人みたいでしょう」とほほ笑んだ。

 ただやはり疲れた様子で、「この8年間、つらく長い道のりだった。直近の10か月間は本当につらく、寒かった」と吐露した。

 弁護士によると、コンタルさんはカナダ政府に難民認定され、同国の難民支援プログラムの下で永住権を付与されたという。

 コンタルさんは台湾で乗り換え中、再びツイッターに動画を投稿。翌27日には「最終目的地」に到着する予定だと述べ、コンタルさんは「皆さんの応援と祈りがあってこそ」と謝意を示した。(c)AFP