死んだ魚をクルーズ船の燃料に、ノルウェー企業が計画発表
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【11月27日 AFP】ノルウェーのクルーズ船運航会社フッティルーテン(Hurtigruten)は26日、海洋汚染や気候変動への影響を減らすことを目的に、船の燃料の一部に死んだ魚を利用する計画を明らかにした。
フィヨルドの観光クルーズなどを手掛けるフッティルーテンによると、国内の大規模漁業によって出た魚の死骸と他の有機廃棄物と混合して液化バイオガスを生成し、重油の代わりとして使用するという。
ダニエル・シェリダン(Daniel Skjeldam)最高経営責任者(CEO)は、「他の人たちが厄介な問題と見なすものでも私たちは資源や解決策と考える」「バイオガスをクルーズ船の燃料として取り入れることにより、フッティルーテンは化石燃料を使用しない初のクルーズ企業となるだろう」と語った。
同社の広報担当者によると、早ければ来年中にもバイオガスを燃料とする船が運航可能になる。また、運航する17隻のうち6隻については2021年までにバイオガスと電池類、さらに化石燃料としては最もクリーンなエネルギーである液化天然ガスを組み合わせて運航できるようにするという。
ノルウェーではバイオガスを燃料とするバスが走行する一方、国内の主要産業である漁業と林業では膨大な量の有機廃棄物が排出されている。またクルーズ業界は大気汚染の原因になっているとして強い批判にされされており、環境保護団体「ドイツ自然保護連盟(Naturschutzbund Deutschland、NABU」によると、汚染の影響が大きい重油を燃料とする大型クルーズ船は1日に車100万台が排出するのと同じ量の微粒子を排出するという。(c)AFP