【11月25日 AFP】現代文明から隔絶されたインドの北センチネル島(North Sentinel Island)では、米国人宣教師のジョン・アレン・チャウ(John Allen Chau)さん(27)を弓矢で射殺した先住民と、遺体を捜索するため同島の沖合にボートを停泊させている警察が、緊張に満ちたにらみ合いを続けている。警察が25日、明らかにした。

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 地元警察のデペンドラ・パタク(Dependra Pathak)署長がAFPに語ったところによると、警察の捜索チームは24日、チャウさんが最後に目撃された島の浜辺の400メートル沖合から、双眼鏡で先住民の姿を発見。先住民らは弓矢で武装していた。

 チャウさんは先住民に向かってキリスト教のメッセージを叫んでいたところ、こうした弓矢で殺害されたと報じられている。

 北センチネル島については、先住民独自の生活様式の保護や疫病対策の観点から、島の5キロ以内に近付くことは違法とされている。

「先住民たちはわれわれを凝視し、われわれも彼らを注視していた」とパタク署長は語った。結局、先住民との衝突するいかなる事態も避けるため船は引き返したという。

 外部者に閉ざされた島で、先住民たちの新石器時代以前の暮らしを妨げずにチャウさんの遺体を捜索するため、警察は苦心に苦心を重ねている。

 チャウさんの死は公式には殺人事件の扱いだが、人類学者らはチャウさんの遺体収容はほぼ不可能とみており、法律で保護された先住民に殺人罪は適用できないとの見解を示している。

 チャウさんの死をめぐっては、チャウさんが小舟で北センチネル島に渡る手引きをした地元漁師6人を含む7人が逮捕された。この漁師らは警察の遺体捜索チームに同行し、チャウさんが殺害された場所の特定に協力している。(c)AFP