【11月24日 AFP】仏紙ルモンド(Le Monde)は23日、欧州で流通した大量の家畜飼料から、使用が禁止されている遺伝子組み換え生物(GMO)由来のビタミン添加物が検出されたと報じた。100万トン以上の飼料に混入している恐れがあるという。

 ルモンドが引用したオランダ保健当局の文書によると、枯草菌(Bacillus subtilis)の遺伝子組み換え株から産生されたビタミンB2添加物「リボフラビン80%」8トンが、今年4月から6月までの期間にポーランド、イタリア、オランダで販売された。ルモンドはオランダ当局の話として、汚染された飼料の流通量は80万〜160万トンと推定されると伝えた。リボフラビン80%はウシ、ブタ、家禽(かきん)の飼料に使われることで知られている。

 同紙はまた、今回問題とされたリボフラビン80%は中国企業「山東(Shandong)」が製造し、飼料世界大手「ニュートレコ(Nutreco)」傘下のオランダ企業「トゥローニュートリション(Trouw Nutrition)」が流通させたものだと報道。ポーランドでは、すでに約2500キログラムが飼料に混ぜて使用されたと伝えた。

 欧州食品安全機関(EFSA)はリボフラビン80%には家畜と人へのリスクがあると指摘。これを受け、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会(European Commission)は2か月前、同製品の認可を取り消すとともに、11月10日までに販売を停止するよう命じていた。

 EFSAは、同製品には「人および家畜にとって重要」な抗生物質に耐性のある組み替え遺伝子が存在するため、「対象の生物種、消費者、使用者、環境へのリスクがある」としている。(c)AFP