便サンプルの提供希望者が殺到、公募を中止 仏パリの病院
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【11月24日 AFP】フランス・パリの病院が23日、腸疾患研究のため便サンプルの提供を公募していたが、報酬の50ユーロ(約6400円)を目当てに提供希望者が殺到したため、公募を中止すると発表した。
当初は病院や医科大学にポスターを掲示し、提供者を募っていた。しかし、この研究を率いるサン・アントワーヌ病院(Saint Antoine Hospital)胃腸科専門医のハリー・ソコール(Harry Sokol)教授はAFPに、「誰かがポスターの写真を撮り、インターネットやソーシャルメディアで急速に拡散した。メッセージが変えられ、『あなたの大便をくれれば50ユーロあげます』という意味に人々は受け取った」と述べた。
提供希望者向けの電話のホットラインとメールにはすぐに応募が殺到。「電話回線を切断しても病院の交換台に電話をかけてくる人や、中には直接病院に来る人までいた。今も続いている」とソコール氏は言う。
腸炎治療の研究のための便サンプルは厳しく選出され、血液と便の一連の検査や、提供者の病歴に関する広範な面談が実施される。
現在、世界中の医師が便移植の研究を行っている。さまざまな慢性消化器疾患の治療を目的としたもので、健康な人の腸内細菌を患者の大腸に注入し、正常な腸内細菌バランスの回復を助けるのが狙い。(c)AFP