【11月23日 AFP】中国農業省は23日、アフリカ豚コレラの発生が北京で初めて確認されたと発表した。当局の封じ込め活動にもかかわらず、アフリカ豚コレラは同国全土に広がっている。

 アフリカ豚コレラが確認されたのは、北京市南西部房山(Fangshan)区の2か所の養豚場。飼育されている1700頭超の豚のうち、86頭が死んだという。

 特別対策班が養豚場を封鎖して殺処分と消毒を実施し、生きた豚や豚肉製品の持ち出しが禁止された。

 中国は世界最大の豚肉生産・消費国。農業省の高官によると、8月に同国で初めてアフリカ豚コレラの発生が確認されて以来、60万頭以上の豚が殺処分されたという。

 中国国内でアフリカ豚コレラが最初に特定されたのは北東部・遼寧(Liaoning)省。今では20省に広がり、これまでに73例が報告されている。

 アフリカ豚コレラは人体への害はないものの、家畜のブタやイノシシに感染すると出血熱を引き起こして死に至る。解毒剤やワクチンはなく、現時点で拡大を防ぐ手立ては感染した家畜の殺処分しかない。(c)AFP