弓矢で米国人殺害、インド・北センチネル島の先住民とは?
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【11月23日 AFP】米国の若い宣教師がインド・北センチネル島(North Sentinel Island)で命を落とした事件は、世界で最も現代文明から隔絶されたグループの一つと考えられているこの島の人々に、再びスポットライトを当てるきっかけとなった。
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先週、宣教目的でインド洋上の同島にカヤックで近づき、不法に上陸しようとして殺害されたのはジョン・アレン・チャウ(John Allen Chau)さん(27)。チャウさんは、複数の矢で射られて死亡したとみられている。
この島の先住民について、これまでに分かっていることは以下のとおり。
■隔絶
北センチネル島は、米ニューヨーク・マンハッタン(Manhattan)ほどの広さがある。ここで暮らす唯一の先住民のグループは、強い警戒心を持って自分たちの土地を守っている。食料は、森や海から調達しているとされる。
北センチネル島の人々は、アンダマン諸島(Andaman Islands)のいくつかの先住民族の中で最も外界から隔絶されている。また、インドの法律でも、先住民と接触することは固く禁じられている。島に暮らす人々は、現代文明から隔絶された生活を送っているため、免疫を持たない病気に対して身を守るすべを持っていないのだ。
英国は18世紀にこれら島々の植民地化を試みた。当時の記録では、約8000人が暮らしていると推定されていた。現在の人口は約150人と考えられているが、遠方から撮影した写真を頼りに行った国勢調査では、15人程度とも記録されている。
先住民に関する大半の情報は、島から遠く離れた沖合の船から観察して得られたものだ。しかし、チャウさんが死亡する数時間前に書き留めたとされる日記によると、島の男性らの身長は約165センチで、顔は黄色く塗られていたという。
一時期、先住民たちは、外部からの訪問者を受け入れていた。人類学者らによって、贈り物の交換や現地調査が1960年代に行われていたのだ。しかし、2004年のスマトラ島沖地震後、同島上空を飛行する印沿岸警備隊のヘリコプターに対して、先住民らが敵対する態度を示したことから、以降の交流継続が断念された。当時、先住民との接触は金輪際しないと宣言されたが、遠方からの監視はその後も継続して行われている。