中米移民数百人、米国境近くの橋に集結 緊張高まる メキシコ北部ティフアナ
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【11月23日 AFP】米国を目指す中米からの移民集団(キャラバン)の数百人が22日、米国と国境を接するメキシコ北部の町ティフアナ(Tijuana)で橋に集結し、緊張が高まった。
上空に米国のヘリが飛ぶ中、移民たちは先週から滞在していた保護施設を正午すぎに出て、約1キロ離れたエルチャパラル(El Chaparral)橋に向かった。ほとんどが成人男性だった。すぐ近くの国境を越えれば米カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)に入る。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、米メキシコ国境の「全面封鎖」をほのめかしていた。
集まった移民らに地元当局者と人権活動家がメキシコにとどまることの利点を説明し、正規のルートで米国に難民認定を申請する説得し始めると緊張が一気に高まった。移民たちは「そんなものは望んでいない!」と叫び、橋に向かって進み続けた。
ウィルソンという名前だという移民男性は、「今すぐ橋を渡らせてほしい。こっちは必死なんだ。ホンジュラスに家族を残してきてるから、働かなくちゃいけないんだ」と語った。
ティフアナ当局は、移民の中の熟練労働者を地元企業が採用するための就職説明会を開催。一方、メキシコの移民当局は移民らに一時滞在許可証を発行している。こうしたチャンスを生かす移民もいるが、絶対に米国に行くと決めて譲らない移民もいる。
主にホンジュラス出身の移民数千人は1か月以上前にキャラバンを結成。大勢の女性や子どもが含まれているにもかかわらず、約4400キロの道のりを徒歩やヒッチハイクで進んできた。ティフアナでは移民集団の先陣が到着した先週末以降、移民約4500人を収容する施設を中心に緊張が高まっている。(c)AFP