【11月21日 AFP】子どもの支援を専門とする国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」は21日、内戦が続くイエメンで2015年以降、8万5000人もの5歳未満の子どもが、飢餓や病気で死亡した可能性があると明らかにした。

 この推計は国連(UN)が収集したデータを基にしたもの。イエメンではサウジアラビア主導の連合軍が支援する暫定政権と、イランが支援するイスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)が戦闘を続けており、国連は最大1400万人が飢餓に陥る恐れがあると警鐘を鳴らしている。

 セーブ・ザ・チルドレンのイエメン統括責任者は「爆弾や銃弾で命を落とした子ども1人に対し、数十人の割合で餓死している。(餓死は)完全に防ぐことができるのにだ」と述べ、「こうした死に方をする子どもたちは、生命維持に不可欠な臓器の機能が衰え、最終的に停止するまでひどく苦しむ」と語った。

 さらに「子どもたちの免疫システムは非常に弱いため、いっそう感染しやすく、中には虚弱すぎて泣くことすらできない子もいる。親たちは痩せ細っていく子どもを目の当たりにしなければならず、それでも何もしてやることができない」と述べた。

 イエメンのホデイダ(Hodeida)港には、同国への輸入食料と支援物資の約80%が入ってくるが、港は昨年から暫定政権に封鎖されている。

 セーブ・ザ・チルドレンによると、イエメン北部への供給も南部アデン(Aden)の港を使わなければならず、支援物資の配送は著しく遅れているという。(c)AFP