インドの孤立先住民、島に上陸した米国人観光客を弓矢で射殺
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【11月21日 AFP】世界で最も孤立した地域の一つ、インド東部アンダマン・ニコバル諸島(Andaman Islands)の島を訪れた米国人旅行者が、保護政策の対象となっている先住民に弓矢で射られて死亡した。
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21日の現地警察発表によると、死亡したのは27歳のジョン・チャウ(John Chau)さん。チャウさんは地元漁民に金銭を払って船に同乗。外界との接触を完全に断った先住民たちが暮らす北センチネル島(North Sentinel Island)へ近づき、さらに1人でカヌーを使って進んだ。だが当局筋がAFPに語ったところによると、チャウさんが島に上陸した途端、その身に矢が降り注いだ。
インド洋に浮かぶ同諸島に住む複数の先住民族に接触することは、独自の生活様式の保護、および疫病対策の観点から禁止されている。ただ規制区域の一部では立ち入りが認められており、チャウさんも同諸島への入境許可を含む観光ビザを持ち、最近数回、同諸島を訪れていた。それでも、北センチネル島から半径5キロ以内への立ち入りは違法とされている。
当局筋によると、チャウさんは11月14日に島への到達を試みたが成功せず、その2日後に準備を十分に整え、途中で小舟を降りて、1人でカヌーに乗って島へ出発。「チャウさんは矢で襲われた後も歩き続けた。また漁師たちは先住民らがチャウさんの首に縄を巻き付け、体を引きずっていくのを目撃した」という。怖くなった漁師たちはその場から逃げ出したが、翌朝戻って海岸でチャウさんの遺体を発見した。
同諸島にはいくつかの先住民族が住んでいる。例えば人口約400人のジャラワ(Jarawa)族は、活動家らによると外界からの訪問者に怯え、現地当局に賄賂を渡して保護を依頼することもある。
しかし、センチネル族のように外界とのあらゆる接触を遮断し、侵入者に敵対的な集団も知られている。150人が住む北センチネル島は、インド海軍さえも立ち入り禁止となっている。(c)AFP