【11月21日 AFP】サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコのサウジ領事館内で殺害された事件で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は20日、サウジのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子がカショギ氏殺害に関与していた可能性があると認めた上で、サウジと米国の関係に影響はないとの見方を示した。

 トランプ大統領はホワイトハウス(White House)を通じて出した声明で、「皇太子がこの悲劇を把握していたことは大いにあり得る──知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない!」と指摘した上で、「われわれがジャマル・カショギ氏殺害をめぐる全事実を知ることは決してないのかもしれない。いずれにしても、われわれはサウジアラビア王国と関係を持つ。米国はサウジアラビアの強固なパートナーであり続ける意向だ」と言明した。

 カショギ氏殺害をめぐっては、サウジ政府が関与したことを示す証拠が次々と判明し、皇太子が指示したという疑惑も浮上しているものの、トランプ氏は数週間にわたりこうした見方を否定してきた。

 先週には、カショギ氏殺害を命じたのは皇太子だったとの結論に中央情報局(CIA)が達したことが米メディアによって報じられ、トランプ氏が同盟関係にあるサウジを罰するのか、あるいは看過する道を見いだすのかに注目が集まっていた。今回の声明でトランプ氏は後者を選び、皇太子の事件関与の可能性よりも米サウジ関係の方が重要だとの見解を示した。(c)AFP