【11月20日 AFP】アジア太平洋経済協力会議(APEC)が閉幕したばかりのパプアニューギニアの首都ポートモレスビーで20日、APEC特別手当の支払いを求める警官や兵士の集団が国会議事堂に押し入り、窓や家具を壊すなどした。警察や目撃者らが明らかにした。

 パプアニューギニアは貧困国ながら18日までの2日間、APECの主催国として各国首脳を丁重にもてなし、要人らの送迎用として新たにイタリアの高級車マセラティ(Maserati)を40台も購入していた。

 パプア警察の報道官はAFPに「警官や兵士らの集団が議事堂前に集まって、APEC手当を払えと要求している」と述べ、集団に加わっていない警官たちが「対処」していると付け加えた。集団の人数は不明だという。

 一方、議事堂の外にいた目撃者は「警官と兵士ら数百人」が議事堂入り口の階段に集結して、APEC期間中の特別手当として支払われるべき350キナ(約1万2000円)を受け取っていないと抗議していたとAFPに語った。現場には警察や軍の車両数十台が集まって緊張した空気が漂い、周辺のホテルは封鎖され、抗議する警官や兵士たちが道路をふさいでいるという。

 ブライアン・クレイマー(Bryan Kramer)議員のフェイスブック(Facebook)には、議事堂内の床に散乱した植木鉢や写真立て、入り口付近の割れた窓ガラスや壊された家具などを映した動画が投稿されている。

 APEC加盟国の中で最貧国のパプアニューギニアは、ポリオの再発生に苦しみ、教師への給与未払いが続く中、大金をつぎ込み贅(ぜい)をつくしたAPECの開催に、国民の間では政府に対する怒りの声も出ている。(c)AFP