【11月17日 AFP】(更新)米中央情報局(CIA)はサウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏殺害事件について、同国のムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子が黒幕だと結論付けた。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が16日、消息筋の話として報じた。

 CIAの捜査結果によると、サウジ工作員15人が政府の航空機でトルコ・イスタンブール入りし、サウジ総領事館でカショギ氏を暗殺した。CIAが調べ上げた多数の情報源の中には、駐米サウジ大使を務めるサルマン皇太子の兄弟とカショギ氏の電話通話も含まれていたという。駐米サウジ大使はカショギ氏に対し、イスタンブールのサウジ総領事館で無事に必要な書類を手に入れることができるだろうと述べたとされる。

 ワシントン・ポストが当局者の話として報じたところによると、CIAはサルマン皇太子をサウジの「事実上の支配者」とみなしており、これが今回の結論に至る決め手となった。CIAは、サルマン皇太子のこうした「一般的に認められている立場」を踏まえれば、同皇太子の関知あるいは関与なしにカショギ氏殺害という事態が起きることはあり得ないとしているという。

 AFPはCIAに取材を試みたが回答は得られなかった。サウジ検察当局は15日、カショギ氏殺害にサルマン皇太子の関与はなかったと断言していた。CIAの見解はサウジの主張と真っ向から対立するもので、米国とサウジとの間に生じた亀裂がますます広がる恐れがある。(c)AFP