中国・習主席、太平洋諸国と首脳会談 台湾の影響力抑止狙う
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【11月16日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は16日、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで、太平洋諸島諸国との首脳会談に臨んだ。中国のこの動きについては、これらの島しょ国のより多くが台湾との外交関係を断ち切るよう、中国が気を配るだけでなく物理的な「贈り物」も配ろうとしているという見方もある。
重要な貿易航路上にあり、天然資源の取引や影響力といった面で多くの国々が注目する太平洋地域は、中国と台湾の外交戦の最前線ともなっている。中国経済が急成長する中、台湾は支持を維持することに苦心している。
オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所(Lowy Institute)のジョナサン・プライク(Jonathan Pryke)氏は、クック諸島やフィジー、ミクロネシア、ニウエ、サモア、トンガ、バヌアツの首脳らとの今回の会談に「習氏が手ぶらで現れることはない」との見方を示した。
台湾との国交樹立国は17か国。プライク氏は、「台湾と外交関係を結んでいる国のうち、ほぼ3分の1が太平洋諸島諸国であり、世界の中でもこの地域では小切手外交が健在だ」と話している。
小国にとって、世界第2の経済大国である中国との関係性を断つことによる損失は大きくなる一方で、中国側もその事実を有利に生かそうとしてきている。
プライク氏は、「中国は台湾の支持基盤を切り崩そうと、ますます攻勢を強めている」と指摘している。(c)AFP