移民キャラバン、対米国境に続々到着 フェンス越え拘束される人も
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【11月15日 AFP】中米から米国を目指して北上している移民のキャラバンのうち、数百人が14日、米カリフォルニア州と国境を接するメキシコ北西部ティフアナ(Tijuana)に到着した。ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官による国境地帯の視察をよそに、残りの移民たちも一気にペースを上げて国境に向かっている。
キャラバンの「本隊」に当たる4000人も数日のうちに国境に着く見通しだ。一方、米側ではドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の指示により、メキシコとの国境に兵士ら約5900人が配置されている。
ティフアナでは14日、大勢の移民が海岸に集結。トランプ大統領に向けて「私たちは犯罪者じゃない!」と叫ぶ声も聞かれた。中には国境フェンスによじ登った上、米国側に飛び降りる移民もいたが、米国境警備隊が目を光らせる中、素早く踵(きびす)を返してメキシコ側に戻っていた。
AFPの記者が目撃したところでは、米国側に入った移民少なくとも9人がその場で米国境警備隊に拘束された。4歳の子どもを連れた母親や、ジャスミン・モンセラット(Jazmin Monserrat)さんというホンジュラス人の妊娠中の女性(19)らが含まれる。
メキシコ側に残されたモンセラットさんの夫、モイゼス・エルナンデス(Moises Hernandez)さん(17)はAFPの取材に「彼女は僕には告げずに行ってしまった。知らない間に、向こう側に行っていたんだ。でも分かる。彼女は新しい生活を求めているんだ。僕たちは自分の国の貧困はもうたくさんだから」と話した。
トランプ氏が先週出した大統領令によって、正式な国境検問所から入国していない移民は難民申請を認められず、自動的に本国に強制送還される。
マティス氏はこの日、国境のもう一方の端にあるテキサス州のダナ・ベースキャンプ(Base Camp Donna)を訪問。国境地帯への米軍の配備には与党・共和党からも政治パフォーマンスだとの批判の声が上がるが、軍部隊の派遣は国境警備隊を支援するために「必要だ」と強調した。(c)AFP