米実業家の現代絵画コレクション、370億円で落札 目玉はホッパー
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【11月15日 AFP】旅行とクルーズ船の事業で大成功を収めた米実業家バーニー・エブスワース(Barney Ebsworth)氏の集めた見事な20世紀絵画コレクションが14日夜、米ニューヨークで競売に掛けられ、総額3億2300万ドル(約370億円)で落札された。米競売大手クリスティーズ(Christie's)が発表した。
オークションの目玉は、米現代画家の巨匠エドワード・ホッパー(Edward Hopper)の油彩画「Chop Suey(チャプスイ)」(1929年)で、9200万ドル(約104億円)の高値が付いた。
これは、ホッパー作品としては2013年に競売に出品された「East Wind Over Weehawken(ウィーホーケンに吹く東風)」の落札額4040万ドル(約46億円)を2倍以上も上回る。エブスワース氏は1973年に「チャプスイ」を18万ドル(約2040万円)で購入していた。
このほか、オランダ出身の抽象画家ウィレム・デ・クーニング(Willem de Kooning)の「Woman as Landscape(風景としての女)」(1955年)には6890万ドル(約78億円)の値が付き、クーニング作品の競売落札価格を更新した。
競売に掛けられたのはエブスワース氏のコレクション全て。ニューヨークで年に2回開催される大規模な美術品オークションの一環で行われ、今回は他にも24件のオークションで落札記録が塗り替えられたが、エブスワース氏のコレクションの落札額を上回るものはなかった。
エブスワース氏は今年4月、83歳で死去した。富裕層向けの旅行事業で資産を築く前は陸軍に所属し、フランス駐在中には何度もルーブル美術館(Louvre Museum)に足を運んでは美術に対する愛好心を育んだという。(c)AFP