【11月14日 AFP】2016年に米オハイオ州の民家で計8人が射殺された事件で、州警察当局は13日、容疑者の夫婦とその息子ら親子4人を逮捕したことを明らかにした。

 事件は2016年4月、同州シンシナティ(Cincinnati)から東に130キロほど離れた町、ピーブルズ(Peebles)で被害者の一家7人と婚約者1人が殺害されたもの。

 逮捕されたのは、ジョージ・ワグナー3世(George Wagner III)、アンジェラ・ワグナー(Angela Wagner)の容疑者夫妻と、その息子のジョージ・ワグナー4世(George Wagner IV)、エドワード・ワグナー(Edward Wagner)両容疑者。

 4人は大量殺人を「慎重に計画し」実行した罪に問われている。同州パイク(Pike)郡の保安官は記者会見で「ワグナー一家は別の一家を完全に抹消するために、殺人を共謀し、計画し、実行し、さらに殺人を隠ぺいしようとした」と述べた。

 マイク・デワイン(Mike DeWine)州司法長官は、殺人の動機は子どもの監護権に関係していると述べたが、それ以上の詳細には触れなかった。

 警察は3軒の民家で計7人の遺体を発見し、その後、別の場所で8人目の遺体を確認した。全員が頭部を撃ち抜かれていた。犠牲者のほとんどが眠っている間に殺害されたとみられている。

 一方、現場では幼い子ども3人が生き延びた。1人は死亡した母親の隣に横たわっていた新生児で、さらに生後6か月と3歳の子どもも無事だった。

 当局は、ワグナー一家が携帯電話を改造したり、監視カメラの画像を加工したりするなど、細部にわたって殺人の証拠隠ぺいを図ったとしている。

 ワグナー家の4人はそれぞれ加重殺人関連の8項目の罪に問われており、有罪判決を受けた場合は死刑に処される可能性がある。

 事件が起きたピーブルズは人口2万8000人、閉鎖されたウラン工場のある経済的に疲弊(ひへい)した地域。この大量殺人事件は当時、地域一帯の住民を震撼(しんかん)させた。(c)AFP