【11月14日 AFP】中米から米国を目指して北上している移民のキャラバンの一部が13日までに、米国と国境を接するメキシコ北西部ティフアナ(Tijuana)に到着した。この日は徒歩やヒッチハイクでの移動を開始してからちょうど1か月目。米側では、当局がバリケードを設置したり検問所の通行規制を敷いたりして警備を強化している。

 移民集団の現在の規模は約5000人。第1陣は先月13日、貧困や暴力から逃れるためホンジュラス北部サンペドロスラ(San Pedro Sula)を出発し、途中でほかの中米諸国の移民が加わった。徒歩やヒッチハイクで数千キロ移動している。

 AFPのカメラマンによれば、一部が米西部カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)と国境を接するティフアナにある対米国境フェンス近くに到着した。

 移動はこの日で1か月という節目を迎えたが、祝うほどのことではないと言う人が多い。ホンジュラス人のウィルソン・ラミレス(Wilson Ramirez)さん(60)は「お祝いなんてものはないね。家もなければ仕事もない。疲れて体の具合は悪いし、今後どうなるかも不安だ。そんな状態でパーティーなんてできるわけない」と話す。

 国境の反対側では、当局がティフアナからカリフォルニア州に続く道路の国境検問所2か所で複数の車線を閉鎖。米軍がセメント製の壁や鉄条網のフェンスの設置を進めている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は移民集団の動きを「侵略」と呼び、「ギャング団のメンバー」や「常習犯」の集まりだとも主張。国境に最大9000人の兵士を動員するよう命じている。

 14日にはジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官が、メキシコ国境に近いテキサス州マッカレン(McAllen)を視察する予定だ。(c)AFP/Yemeli ORTEGA