【11月13日 AFP】モロッコ各地で9日、政府が年間を通じてサマータイム(夏時間)を採用すると決定したことに抗議して、各学校の生徒たち数千人がデモ行進したと、現地メディアが伝えた。生徒らの抗議デモは3日連続。

 モロッコ政府は先月26日、冬時間を廃止してグリニッジ標準時(GMT)プラス1時間の夏時間を通年で採用すると決めた。しかし、各新聞やソーシャルメディアへの投稿などによると、冬時間が廃止されたために子どもたちは夜明け前に起きて登校しなければならなくなった。抗議デモに参加した生徒たちは「恥ずべき決定」や「茶番だ」などと非難の声を上げた。

■急な決定に怒りと混乱

 国営マグレブ・アラブ通信(MAP)によると、モハメド・ベン・アブデルカデル(Mohammed Ben Abdelkader)行政改革担当相は先月26日の決定について、夏時間に固定することで「自然光」の下で過ごす時間を1日当たり1時間確保できるうえ、電力消費を抑制できると語った。

 だがモロッコ国民にとって、この決定は青天のへきれきだった。さらにモロッコの電子機器の多くが夏時間から冬時間に自動的に切り替わる設定なため、怒りや混乱を招く結果となった。子どもたちがまだ朝の暗いうちに登校しなければならなくなったという、親たちからの苦情も少なくない。

 こうした苦情について、教育省の報道官は、学校の時間割については各地域当局が必要に応じて調整することを認めているとAFPに説明した。

 映像は、同国首都ラバト(Rabat)の国会議事堂前で抗議する生徒たち。12日撮影。(c)AFP