【11月12日 AFP】レバノン首都ベイルートで11日に開催されたマラソン大会のコースに、「私はレイプ加害者に立ち向かう」とのメッセージを掲げた女性らが並び、性犯罪者の取り締まり強化を訴えた。

 レバノンでは、加害者よりも被害者が非難されるケースが多く、今回の運動には、こうした認識に変化を促そうという意図も込められていた。

 活動家数十人が厳しい表情で海辺のマラソンコース沿いに立ち、「きょう、私は走らない。私はレイプ加害者に立ち向かう」「裁かれるべきは加害者だ、被害者ではない」とアラビア語と英語で書かれたスローガンを掲げた。

「#ShameOnWho(誰にとっての不名誉)」というハッシュタグと共に展開されたこの運動は、中東・北アフリカにおける男女平等を目指すNGO「ABAAD」が主催。同NGOによると、レバノンでは女性の4人に1人が性的暴行を受けているにもかかわらず、通報されるのはわずか38%にとどまっているという。

 マラソンにランナーとして参加した女性(16)はこの「大胆」な運動を評価し、「胸に迫るものがあった。女性は思い切って声を上げることが少ないけれど、本当に訴えていく必要がある、加害者らは罰されなければならないと」と感想を述べた。

 レバノンには、レイプ加害者が被害者と結婚すれば罪に問われないとする法律が存在したが、ABAADが大規模な抗議運動を展開。議会は昨年、同法を廃止した。(c)AFP