豪刃物襲撃、容疑者に立ち向かったホームレス男性に寄付金800万円超
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【11月12日 AFP】オーストラリア南東部メルボルンで先週3人が死傷した刃物による襲撃事件で、ショッピングカートをぶつけて襲撃犯を止めようとしたホームレス男性の映像がインターネット上で拡散し、この男性を支援しようと800万円を超える多額の寄付金が集まっている。
9日にメルボルン中心部の商業地区で起きた事件では、ソマリア出身でオーストラリア国籍のハッサン・カリフ・シャイア・アリ(Hassan Khalif Shire Ali)容疑者が刃物で無差別に周囲の人々を襲い、1人を殺害、2人を負傷させた。容疑者は警察に撃たれて死亡した。
通行人が撮影した事件の動画には、警官2人に対して刃物を振り回す容疑者に向かい、1人の男性が何度も金属製のショッピングカート(トロリー)をぶつけようとする様子が映っている。
この動画が拡散すると、男性は「トロリーマン」の異名で呼ばれるようになった。クラウドファンディングサイト「ゴー・ファンド・ミー(GoFundMe)」では、この男性を支援しようと募金が呼び掛けられ、12日早朝までに3700人以上が参加。当初の目標額4万5000豪ドル(約370万円)の倍を超える10万4790豪ドル(約860万円)が集まった。
「トロリーマン」ことマイケル・ロジャーズ(Michael Rogers)さんは事件後、豪テレビ局チャンネル7(Channel Seven)の取材に対し「怖かった。怖くてたまらなかった」と当時を振り返った。「すぐそこにトロリーがあったので、それを手で押して走り、男を目がけてぶつけたんだ」
「何度もぶつけたけれど、男を倒すことはできなかった」と語ったロジャーズさん。自分は「ヒーローではない。でも、きっと何人かの命は救えたんじゃないかな」とコメントした。
警察はシャイア・アリ容疑者について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の思想に感化されて犯行に及んだが、組織と直接の関係はなく単独犯との見方を示している。(c)AFP