人形と思いきや生きた赤ちゃん、漁師が海から奇跡的に救出 NZ
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【11月6日 AFP】ニュージーランドで、海に浮かんで流されていた赤ちゃんを漁師の男性が人形と思い込んでひょいと拾い上げ、男児が一命を取り留めるという出来事があった。あわや悲劇となりかねなかったこの一件については、水上安全当局者らも「奇跡」と喜んでいる。
先月26日早朝、同国北島(North Island)プレンティ湾(Bay of Plenty)の浜辺で漁の準備をしていたガス・ハット(Gus Hutt)さんは、目の前を人形のようなものがぷかぷかと離岸流に乗って漂っていくのを目にした。
ハットさんは地元紙に対し、「人形だと思ったので手を伸ばして腕をつかんだ。その時でさえまだ人形だと思っていた」と語った。
「短い髪がぬれてはり付いたその顔が陶器のようだと思った瞬間、その子が小さな声を上げた」ため、そこで初めて「何てことだ、この子は赤ちゃんだ、しかも生きている」と気付いたという。
後に男児は1歳半のマラカイ・リーブ(Malachi Reeve)ちゃんであることが判明。マラカイちゃんはビーチ脇のキャンプ場でテントで寝ており、まだ寝ている両親が気付かないうちに一人で外へ出て海に入り、波にさらわれたとみられている。
近くに住むハットさんはこの日に限って、いつも漁に出る地点から100メートルほど離れた場所から船を出そうとして、マラカイちゃんを発見したという。
「赤ちゃんは離岸流に乗り、一定の速さで移動していた。もし私があの場所に居合わせなかったら、もしくは着くのが1分遅かったら、私はあの子を見逃していただろう」と振り返った。
異変に気付いた両親は、キャンプ場の受付に駆け付けた。母親はそこで「紫色で冷たく、いつもより小さく縮んだような」マラカイちゃんを見つけた。救急手当てを受けた後、異常なしとお墨付きをもらったマラカイちゃんは、何も起こらなかったかのように普段通りだという。
母親は、マラカイちゃんは前日海で喜んで遊んでいたため、また行こうと早起きをしたに違いないと話している。(c)AFP