ドイツへの帰国を願う元ISの「靴職人」 シリア
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【11月17日 AFP】イスラム教へ改宗したスフィヤンさん(36)は、祖国ドイツへの帰還を願ってやまない。スフィヤンさんは数年前、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が樹立を宣言した自称「カリフ制国家」に渡ったが、1年前からシリア北部で拘束されている。
スフィヤンさんは、内戦で荒廃したシリア国内で、クルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」にISの戦闘員だったとして捕らえられた数百人の外国人の一人だ。スフィヤンさんのひげは、今では短く刈りそろえられている。
スフィヤンさんは、自分は戦闘員ではなく、ISにだまされた一般市民で、整形外科靴と義肢を作っていただけだと主張している。
「私は、(ISの処刑執行人で英国籍の)『ジハーディ(聖戦士)・ジョン(Jihadi John)』とは違う」「義肢を作っていただけだ」
スフィヤンさんはドイツ南西部シュツットガルト(Stuttgart)出身だが、本名は明かさなかった。
YPGはAFPの取材申し込みに対し、約1年前から拘束されているスフィヤンさんを選んだ。インタビューにはYPGも同席した。
YPGは拘束中の外国人戦闘員の裁判を拒否し、出身国である欧米諸国に彼らを引き取るよう要請している。一部の国は引き取りに応じたが、大半は消極的だ。
米国が支援するクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は、ISメンバーとされるドイツ人数人を拘束している。その中には、2001年9月11日の米同時多発攻撃を計画段階で支援したとされるシリア生まれのドイツ人、ムハンマド・ハイダル・ザマール(Mohammad Haydar Zammar)氏も含まれている。
ドイツがこれまでに帰国を受け入れた元ISメンバーはいないとされているが、スフィヤンさんは、シリア人の妻、息子と共にドイツに帰国し、再出発したいと希望している。「人間は間違いを犯すもので、私は世間知らずだった」と訴える。「昔の生活に戻りたいだけだ」