【11月6日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、中間選挙の投票を翌日に控えた5日、与党・共和党が握る議会の主導権を民主党から守るため3州を駆け足で巡り、精力的に最後の訴えを行った。今回の中間選挙は、過去数十年間で最も深い分断を生み出す米大統領となったトランプ氏への信任投票とみられている。

 トランプ氏はこの日、オハイオ州クリーブランド(Cleveland)、インディアナ州フォートウェイン(Fort Wayne)、ミズーリ州ケープジラード(Cape Girardeau)を遊説。不動産王、ポピュリストの興行師とも称される同氏がホワイトハウス(White House)に戻るのは、日付を大きくまたぎ、全米各地での投票開始が数時間後に迫った頃になる見込み。

 今回の中間選挙では下院の全議席と上院の3分の1の議席が争われ、投票用紙にトランプ氏の名前はない。しかしトランプ氏は全米各地での精力的な選挙集会で、自らをあらゆる争点の中心に据えた。

 すべてを自身に結び付けるやり方にはリスクもある。また、トランプ氏は経済面での成果を徹底的にアピールすることから、米国が不法移民の攻撃を受けているという痛烈な、批評家に言わせれば差別主義的な批判を展開することへと重心を移しており、このやり方にもリスクが伴う。

 投票日が迫る中、トランプ氏は対メキシコ国境に数千人の兵士を派遣。投石に及んだ不法移民への発砲があり得ることを示唆するとともに、民主党によって米国は犯罪と薬物を引き寄せるブラックホールにされると国民に訴えた。

 そうした賭けは2016年大統領選でのトランプ氏の劇的勝利につながったが、すでに多くの国民が閉口しており、民主党は少なくとも下院は奪還できるとの自信を深めている。

 一方、世論調査によると、共和党は上院では優勢を維持している。

 ただ、調査結果の多くが僅差で、投票率が勝敗を分ける不確定要素となっていることから、両党は事前の見通しが覆されることもあり得るとみている。(c)AFP/Sebastian Smith and Michael Mathes