【11月4日 AFP】サウジアラビア当局は、富豪のアルワリード・ビン・タラール(Al-Waleed bin Talal)王子の弟で、1年近く拘束していたハリド・ビン・タラール(Khalid bin Talal )王子を釈放した。家族が3日公表した。ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が先月2日、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で殺害された事件をめぐり、国際的圧力に直面する中で釈放したことになる。

 今回の釈放は少なくとも3人の親族によるツイッターへの投稿で確認され、ハリド王子が何年も意識不明の状態にある息子にキスし、抱擁している画像も公開された。

 ハリド王子の拘束や釈放条件について、サウジ政府は公に説明していない。米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)によると、ハリド王子はエリート層を標的にした昨年11月の汚職摘発を批判したことを理由に、11か月間拘束された。この摘発では数十人もの王子が首都リヤドの高級ホテル「リッツ・カールトン(Ritz-Carlton)」に拘束された。

 サウジアラビアはカショギ氏の事件をめぐって国際社会から強い反発を招き、2001年9月11日の米同時多発攻撃以降で最悪の外交危機に直面しているとみられている。(c)AFP