アムステルダム市、赤線地区外での売春許可を検討 観光客対策で オランダ
このニュースをシェア
【11月3日 AFP】オランダの首都アムステルダム(Amsterdam)市は2日、セックスワーカー(性労働者)たちに赤線地区「ワレン(Wallen)」外でも売春を許可することを検討中だと明らかにした。人気観光地と化した赤線地区の浄化対策と、売春婦たちの労働環境の改善が狙いだという。
オランダ語で運河の土手を意味するワレンは、売春婦たちが客引きをする「飾り窓」で有名な市中心部の赤線地区。毎年、アムステルダムにはオランダの総人口を上回る約1800万人もの観光客が押し寄せており、市は観光客がらみの問題についての対策を次々と打ち出している。赤線地区の性労働者たちからも、カメラを手にした観光客たちから好奇の目で見られる上、そのせいで客が近寄りにくくなり、商売にならないと苦情が出ていた。
こうした状況を受け、アムステルダム市は同市初の女性市長フェンケ・ハルセマ(Femke Halsema)氏の肝いりで、安全なホテル風の売春宿の設置や、市内の他の場所での売春許可証を性労働者に発行する計画などを検討しているという。
市議会で連立を組む革新政党「民主66(D66)」のアレクサンダー・ハンメルブルク(Alexander Hammelburg)議員は計画の狙いについて、「性労働者たちの就労場所の選択肢が、自宅や観光地といった匿名性を確保しにくい地域外にも広がることと、性労働者たちのための合法的な就労場所不足という問題が解決できることだ」と、AFPに説明した。(c)AFP