【11月1日 AFP】(更新、写真追加)韓国大法院(最高裁)は1日、道徳的信念や宗教上の信条は兵役を拒否する正当な理由として認められるとの判決を言い渡した。14年前の大法院判決を覆す判断で、良心的兵役拒否をめぐる多くの裁判の行方に影響を及ぼしそうだ。

 韓国では朝鮮戦争の休戦協定が結ばれてから65年にわたり、18~35歳の健康な男子全員に約2年間の兵役が義務付けられている。兵役拒否には通常、懲役1年6月の実刑判決が下り、兵役に代わる地域奉仕活動などの選択肢はない。1950年以降これまでに約1万9000人が良心的兵役拒否により実刑を科されており、その多くは宗教団体「エホバの証人(Jehovah's Witnesses)」の信者だ。

 しかし、聯合(Yonhap)ニュースによると大法院は1日、2013年に兵役を拒否したエホバの証人の男性信者の裁判で、「良心による兵役拒否は正当な理由とみなされる」との判断を示した。高等法院(高裁)は一審の有罪判決を支持していた。

 エホバの証人によると、韓国では現在900人余りが良心的兵役拒否をめぐって裁判を起こしている。(c)AFP