インドネシア機墜落、交通渋滞で乗り遅れた男性が九死に一生を得る
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【10月30日 AFP】乗客乗員189人を乗せたインドネシアの格安航空会社(LCC)ライオン航空(Lion Air)の旅客機が29日に墜落した事故で、この便に搭乗予定だったインドネシア人の男性が、首都ジャカルタの交通事情の劣悪さにより偶然にも命が助かっていたことが分かった。男性は空港に到着するのが遅くなり、墜落した飛行機に乗り遅れたという。
インドネシア財務省に勤めるソニー・セティアワン(Sony Setiawan)さんは、同僚たちと週1回のペースで出張に出ており、29日には悲劇的な運命を迎えたJT610便に搭乗するはずだった。
だがセティアワンさんは有料道路で、数時間足止めを食らった。
セティアワンさんはAFPに対し、「たいていJT610便を利用している。同僚たちと私はいつもこの飛行機に乗っている」「どうして有料道路の状況があんなにひどかったのか分からない。いつもはジャカルタに午前3時に到着するのに、あの朝は6時20分に空港に到着して乗り過ごしてしまった」と話した。
当局は、墜落事故の生存者がいそうにないとの見解を発表しており、当日の交通渋滞がセティアワンさんの命を救った形となった。
セティアワンさんは感謝の念を抱く一方、同僚6人を含めた多くの人々が幸運だったわけではないという事実が突き付けられた。
「初めて耳にした時、泣いてしまった」「友人があの便に乗っていたのを知っていた」とセティアワンさんは話す。
西ジャワ州バンドン(Bandung)で暮らすセティアワンさんは、次のパンカルピナン(Pangkal Pinang)行きの便に何とか乗り込み、無事到着して初めて事故について耳にした。
一時的に打ちのめされていた家族らは、セティアワンさんからの電話に感極まったという。
「私の家族はショックを受け、母親は泣いていた。だが無事だということを伝えた。ただただ感謝するだけだ」
旅客機は首都ジャカルタを離陸してからわずか13分後、レーダーから消えてジャワ海の沖合に墜落した。
財務省によると、事故機には20人前後の同省職員が搭乗していたという。(c)AFP