【10月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領や同氏一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)による詐欺的な投資勧誘により損害を受けたと主張する原告4人が、トランプ氏および同企業を相手取って訴えを起こした。

 4人は29日、ニューヨークの連邦裁判所に提訴。他の被害者も原告に加われるよう、裁判所に集団訴訟とするよう求めた。

 訴えによると原告はトランプ氏が出ていた宣伝動画を視聴し、米通信会社ACNに投資。トランプ・オーガニゼーションも投資を勧め、ACN自体もかなりの収益があると主張していたが、実際には収益は上がっておらず、これまで原告は約束された利益を受け取っていないという。

 匿名の原告4人は自らについて「労働者階級の米国人」だとしており、自分たちのようにトランプ氏にだまされた人は数千人いると主張。4人はカリフォルニア州のホスピスに勤務する介護職員、メリーランド州で働く食品配達ドライバー、自営業、慈善団体・救世軍(Salvation Army)の元職員だといわれている。

 訴状には「トランプ一家が詐欺的行為により被害者をだまし、それぞれ数百~数千ドルを払わせた。多くの被害者が被った損失は破滅的で、人生を一変させるほどだ」との文言もあった。

 ACNは在宅販売員を通じ、電話やインターネットなどの通信回線を直接販売する仲介業者。ACNへの投資を勧誘したことはないとトランプ氏が主張したとしても、訴状によると同氏は2005年から2015年にかけて、マーケティング活動やセミナー開催などのサービス料として同社からから数百万ドル相当の報酬を秘密裏に受けていたという。

 ACN側は、トランプ氏が2006年から米大統領選への出馬を表明した2015年まで有給で自社の大使のような役割を担っていたと主張しているが、トランプ・オーガニゼーションは現時点でコメントを発表していない。(c)AFP